健康診断の話

 


 健康診断が苦手である。

 なんでかっていうと、毎年行く健康診断センターがイマイチだからである。

 そこのおばちゃんの採血はむちゃくちゃ痛いし、受付スタッフは塩対応。なんかそういうマニュアルでもあるの? ってくらい、残念なのだ。

 あのセンターはもう嫌だ。去年の採血は過去最高に痛かったし。

 そう思って今年は、巡回するタイプの健康診断会場に申し込みをした。そうしたら、当日の対応はびっくりするくらいスムーズだし、採血も上手だった。

 これだよ、これ。これなら毎年の健康診断も気楽だよね。来年もこの会場に申し込もうかな。

 そんなことを考えながら、外に停められた検査車に乗り込む。検査車は婦人科健診(産婦人科にあるイスがある)、胃がん健診(バリウム)の2台。バリウムを飲むと排出に苦しむので胃カメラがよかったが、この会場には胃カメラはない。しかたなくバリウムを今年も飲んだ。

 

そして三日が経った。

私の胃は、壊滅している。

腸も調子が悪い。

 

なんでこうなる。というかむしろ、やっぱりこうなる。

きりきりと痛む胃はゼリーしか受け付けない。大丈夫なの、私? 健康診断で不健康になるとか、本末転倒すぎる。 

 毎年こんな状態になるなんて、何か重大な病気が隠れているんじゃないだろうか。そんな不安に駆られるが、友人に話すと「あるある」だと言われる。

 

 不整脈で追加検査だって。あるある。

 大腸カメラやることになっちゃった。あるある。

 ポリープ見つかったけど良性でホッとした~。あるある。

 

 どれが自分の話で、どれが友人の話なのかわからなくなる。あるある。

 ゆるやかに私たちは、不健康に生きている。

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